トレーナーの仕事をするようになってから、
ずっと憧れていたのが「自分のスタジオ」でした。
いつか、自分の理想を形にした空間で、お客様とじっくり向き合いたい。
そんな思いを抱きながらも、なかなか現実的な一歩が踏み出せずにいました。
ある日、ふとひらめいたんです。
「あの物置になっている部屋を片付けて、スタジオにできないかな?」と。
そこは、家族の思い出がたくさん詰まった場所でした。
息子が小さかったころに遊んでいたおもちゃ、
魚釣りの道具、最近はあまり乗っていないロードバイク、
学生時代に寝食を忘れるほど熱中したギターや音楽機材、
大量のCD、そして使わなくなった家具たち——。
モノがあふれていて、とても“スタジオ”とは呼べない状態でしたが、
なぜか「この場所なら、きっと落ち着ける空間になる」と直感したんです。

思い出の品をひとつずつ手に取りながら、
「ここから新しいスタートを切ろう」と決めて、少しずつ片付けを始めました。
手が止まることもありましたが、不思議と心が前に向いていく感覚がありました。
本音を言えば、どこかカッコいい場所に出店することを夢見ていました。
けれど今は、この環境を生かして、
来てくださる方々が安心して体を動かせる、
“落ち着ける空間”をつくりたいと思っています。


 
			 
			 
			 
			